鏡 山(かがみやま)
登場人物= お初(おはつ)・尾上(おのえ)・岩藤(いわふじ)・岩藤怨霊・諏訪(すわ)
浜田藩第6代藩主の奥方に、御付(おつき)の局として仕えていた岩藤は中老(ちゅうろう)の尾上を妬み、配下の諏訪に命じて草履をすり替えさせ、陥れようとする。急用で奥方に召された折、やむなく履いた草履が岩藤のものであったことから、岩藤にきつくとがめられ家名を辱(はずかし)められた尾上は、無念の自害を遂げる。これを知った尾上の召使いお初は、直ちに尾上自害の懐剣(かいけん)で主人の仇を討った。世に言う「鏡山事件」で享保(きょうほ)9年(1724)春の出来事といわれる。
後にお初は“烈女(れつじょ)”として喧伝(けんでん)され、歌舞伎「鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」に脚色され上演。続編「加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)」では、岩藤が怨霊となって、お初に仇をなす筋で演じられて、今日に至っている。
この神楽「鏡山」は、伝承されている物語を元に再構成し、新たに創作したもので、神楽を通じて郷土の歴史・文化を紹介し、長く継承されることを願うものである。
(保持社中/後野神楽社中)
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