石見神楽 蛇胴(浜田市無形文化財指定)
蛇胴は、石見神楽を特徴づける衣裳であり、もはや一種の舞台装置と言っても過言ではありません。 明治の頃までは鱗を描いた白衣と股引で表現されていた大蛇を、舞手であり神官でもあった植田菊市氏 が、吊り下げ式の提灯に着想を得て開発。和紙と竹のみという簡潔な造りながら、軽量自在に伸縮し、 うねりのたうつ蛇の姿を見事に現し、舞に説得力を持たせることに成功しました。ここでは創始者の直 系・蛇胴製作三代目の植田倫吉さんの工房の様子を覗いてみましょう。
《令和5年 浜田市無形文化財に指定されました》
①蛇の骨作り(1)
切り揃えた竹を割って和紙を巻き付け輪をつくる。
②蛇の骨作り(2)
型枠に輪を固定し、蛇胴の骨組み(約1.8m)をつくる。
③石州和紙張り(1)
柿渋入リの糊で石州和紙を幾重にも貼り合わせる。
④石州和紙張り(2)
⑤乾 燥
天日で十分乾燥させる。
⑥彩 色(1)
絵柄を描く。
⑦彩 色(2)
注文に合わせ色(赤、青、茶、白、緑他)を付ける。
⑧折りたたみ
彩色乾燥後、伸縮できるよう折り目を付ける。
⑨つなぎ
約1 .8mのピースを9本つないで1頭の蛇胴にする。
⑩完 成
長さ約 17m、重さ 12kgの蛇胴となる。
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【取材協力】
植田蛇胴製作所
〒697-0062 浜田市熱田町 1319-2 TEL.0855-27-0540