石見神楽(いわみかぐら)−島根県浜田市 石見之國伝統芸能−石見神楽公式サイト−

恵比須

能 舞

恵比須(えびす)

登場人物
恵比須(えびす)、大人(たいじん)
神楽歌
国を始めて急ぐには 
四方こそ静かに釣すなり
あらすじ
大国主命の第一の御子で美保神社の御祭神とされる八重事代主命(やえことしろぬしのみこと)である、恵比須様を題材とした演目。 旅人が出雲大社巡礼の途中、 美保神社に参詣し、宮人に神社のいわれを聞いていたところ、目の前に恵比須が現れ、 鯛を釣り上げ寿福をあらわすという、幻想的かつ大変おめでたい神楽です。
見どころ見どころ
とてもめで“たい(鯛)”演目で、結婚式など祝いの場で舞われることも多いよ。鯛釣りの前に撒き餌として投げる飴には福が宿るとされているので、拾うことができた人には幸福が訪れるかも♪ 子ども達にとても人気の演目だよ。
口 上
大人「自らは未だ杵築の宮に詣でざれば、この度思ひ立ちて大宮に参り又よき序なれば、美保の御崎にも参詣仕らばやと存じ候。」
大人「急ぎ候ほどに美保の御崎に着きて候へば、この處の宮人に頼り、當社の御神伝を承りたく存じ候。いかに當社の宮人、御出でなさるべく候。」
宮人「宮人々々と御尋ねなされ候は、何處より何處へ御通りの御方にて候や。」
大人「我は始めて當社に参詣仕りし旅人にて候。何とぞ當社の御神伝を承りたく候間、詳しくは御物語り下さるべく候。」
宮人「當社には仕へまつり候へど、詳しき事はなかなかに語り盡し難く候。さりながら當社の御神伝をあらあら申し延べ候間、大人殿はそれに座せられ、御聞きなさるべく候。」
大人「承つて候。」
宮人「そもそも當社に鎮まりたまふ恵比須の大神と申し奉るは、津美波八重事代主の命にましまして、杵築の大社に鎮まりませる大国主の命の御子におはしたまふなり。大国主の命、この豊蘆原の中つ国を知ろしめしたまふ時、八重事代主の命は百八十神の御尾先となりて、天の下の政を知ろしめしたまふ功績尊き神にておはしたまふなり。又釣り漁りを好みたまひて、杵築の里よりこの美保の御崎に通ひ、釣り猟の業を始めたまふ。又商ひの道を教えたまふ。これによりて猟人商人の祖神と斎きまつる由を承りて候。」
大人「さん候。」
宮人 「さて大国主の命は顯露事を皇御孫の命に譲りたまひ、杵築の宮に鎮まりまして、隠り世の事執りたまふこれによりて事代主の命もともに、この美保の御崎に隠り鎮まりまして隠り世の事執りたまふ。この二柱の大神は、顯し世に功績を立てたまひ、事終へまして隠り世の事執りたまふが故に、天の下の人民の家毎に恵美須大黒と申して斎つ祭り、又この神は商ひの道をも始めたまふ神なれば、市毎に町恵美須の神と斎き、網引き漁りを教え給ひし神なれば、浦毎に猟恵美須の神と斎き、専ら尊敬なし奉る事にて候。さてこの大神は顯し世におはしたまふ時、かく釣り漁りを好みたまひけるが故に、隠り世に入らせたまひて後、今も折々波風静かなる時は、磯邊に現はれ釣したまへる事ありて、顯し世人も御姿を拝みまつる事ありと承り候へば、大人殿は遙々御参詣の事に候へば、當浦に二三日も御滞留あつて、釣りしたまへる御姿を静々と御拝みなさるべく候。」
大人「畏まつて候。」





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