石見神楽(いわみかぐら)−島根県浜田市 石見之國伝統芸能−石見神楽公式サイト−

鹿島

能 舞

鹿 島 / 国ゆずり(かしま/くにゆずり)

登場人物
経津主命(ふつぬしのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)、建御名方命(たけみなかたのみこと)
神楽歌
国中の荒ぶるものを平らげし 
鹿島香取の神ぞ貴き
あらすじ
高天原から派遣された経津主命、武甕槌命が、大国主命に出雲の国を譲る様に談判します。大国主命は、自分の2人の息子の承諾を得るように言い、第一の王子「事代主命」は承諾しますが、第二の王子「建御名方命」は承諾せず力くらべとなり、敗れて信濃の諏訪まで逃げ、ついに降参して命請いをし葦原中国(地上=古代日本)を譲ります。
見どころ見どころ
力比べを題材にした珍しい神楽。経津主命は腕を刀や氷に替えたりして、建御名方命を懲らしめるよ。お相撲の起源とも。
白熱しすぎて場外乱闘になることも!?

口 上
神一「「我ら二柱は、經津主の命、武甕槌の男の神なり。時に天照大御神、高木の神の御言もちて、この豊葦原の瑞穂の国は、吾が御子の次ぎ次ぎ知ろしめすべき国なりと事依さしたまふ。彼の国には千早ふる荒ぶる国つ神ありて、晝はさ蠅なす皆沸き、夜は火瓮の如く輝く神ありて、岩根木根たち、靑未沫に至るまで皆言間ひて、辨ふることなき国なり。故その悪しき者を沸ひ平げよと、天の穂日の命、又天の若彦の命を天降したまひて治めしめたまへども、未だ安国と平らかに鎮まらず。これによつて我ら二柱は、かの国を安国と納め歸れよとの詔を受け、只今彼の地に赴かばやと存じ候。」
神二「「畏まつて候」
神二「久方の天の八重雲を押し分けて、天翔り国翔り急ぎ候ほどに、八雲立つ出雲国、稲佐の小浜に着きて候。この處に大国主の命を召して、天つ神の詔を御伝へ遊ばされ然るべく存じ候。」
神一「然らばこの十束の剣を抜きて、稲佐の小浜の波の穂に逆しまに突き立て、この前に趺み居て、大国主の命に天つ神の詔を伝へばやと存じ候。汝命はこの處に大国主の命を御召しなさるべく候。」
神二「畏まつて候。大国主の命、この處に御出でなさるべく候。」
大国主「自らを召され候は、いかなる神にて候や。また何條何事にて候や。」
神一「我ら二柱は經津主の命、武甕槌の男の神なり。こだび天つ神の詔によりて、この国は皇御孫の命の知ろしめすべき国なりと事依さしたまふ。汝が心いかに、避りまつらんや否や。」
大国主「我この廣矛をもちて荒ぶる者どもを神拂ひに拂ひ平げて、この国を安国と治め、田畑を開きなして、天の下に隠れなき国造り大己貴の命と申し、又大国主とも申すなり。吾が知らす葦原の中つ国は、詔のまにまに皇御孫の命に捧げ奉るべく候。」
神一「誠に汝の宣ふことを聞けば、深きいはれあり。今汝の知らせる顯露事は皇御孫の命に知らしめ、汝は幽事を知らしたまへ。又汝の住みたまふ天の日栖の宮は、縦横の御はかりもて、柱は太く高く、板は廣く厚く造らして、杵築の大社と齋ひ定め、年月の御祭をば、天の穂日の命に齋き祭らせんとの詔なり。又問ふべき御子神たちありや否や。」
大国主「我が子八重事代主の神、建御名方の神と申して二柱あり。八重事代主の神は、鳥の遊び釣り漁りして美保の御崎にあれば、天の鳥船の命を遣はして問はせまつらん。」
神一「然らば武甕槌の男の神は、天つ鳥船の命を伴なひて、三保の御崎に至りまして、事代主の命にまつろひたまふや否や、尋ねたまふべく候。」
神二「畏まつて候。」
大国主「天つ神の御さとしと斯く懇ろなるを、いかで背きまつらん。我が子八重事代主の命も違ひまつらじ。八百万の神はこの神の御尾先となりて仕へまつれば、違ふ神はあらじ。我この廣矛を皇御孫の命に捧げ奉るべし。皇御孫の命この廣矛をもちて顯露事を治めたまはば、安国と平らけく鎮めたまふべし。我はこれより天の日栖の宮に永へに鎮まりて、幽隠事を知りて、世の中の善し悪しきを見そなはし、善き人を恵み、悪しき人を罪して、天の下平に鎮まり、種つ物の豊かになりなんことを、夜となく晝となく守り申さん」
大国主「顯露事は皇御孫の命」
神一「幽隠事は大国主の神の神心」
建御名方「誰ぞ、我が国に来て忍び忍びに物言ふは、いかなる神ぞや。」
神一「自らは經津主の命なり。こたび天つ神の詔によりて、この国は大国主の命の皇御孫の命に奉りたまひし国なれば、事代主の命は、八百万の神の御尾先となりて仕へ奉るべしとのことなるに、かく言ふはいかなる神ぞや。」
建御名方「自らは大国主の命の第二の皇子、建御名方の神なり。汝天つ神の御使におはさば、我と力くらべしたまふべし。」
神一「汝命、その大石を手な末に捧げ持ち来りて、我と力くらべせんとは何事ぞ。さらばこの手を取つて試みたまへ。」
建御名方「我その御手を取らば只一つにつかみひしぎ申さん。」

建御名方「こは怪しからぬものかな」
建御名方「我天つ神の御使なることを危ぶみ思ふが故に、かかる振舞をなしつるこそ悔しけれ。我この處に居て他所に行かじ。父大国主の命の詔に違はじ。この国は天つ神の御子に奉るべし。我をな殺したまひそ。」
神一「汝この所に鎮まりて、父の神大国主の命に従ひ、事代主の命とともに、御尾先となりて仕へまつりたまはば、外に違ふ神はあらじ。我は国中の荒ぶるものを拂ひ平げて、天つ神に返り言申さん。」
建御名方「汝何にも降参仕る」




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