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八衢
八衢
登場人物=宇津女(うづめ)・猿田彦(さるたひこ)
大国主の命の国譲りの後の物語。天孫降臨の神話を神楽化したもので八衢とは、天上での天降りの途中で、道が多方面に分かれた所、天孫邇々芸命が天降りされようとするとき、道をふさぐ神があったので、天の宇津女の神に問わせると猿田彦神で、天孫を先導するために出迎えたと言った。この内容を神楽化したもので「鹿島」に続く物語である。猿田彦(佐太の大神)は、これによって、道しるべの神として奉られている。

●日本書紀 巻二 第四話 皇孫降臨(要約)
大国主の命より国譲りの承諾をとりつけた、経津主神(ふつぬしのかみ)と武甕槌神(たけみかづちのかみ)によって葦原中国(あしはらのなかつくに)が平定されたことを聞いた天照大御神(あまてらすおおみかみ)と高皇産霊尊(たかみむすび)は、天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほににぎのみこと)(略称、瓊瓊杵尊)を呼んで、「葦原の千五百秋の瑞穂の国(ちいほあきのみずほのくに)(葦原中国)は、我らの子孫が治めるべき国である、お前が行って治めてまいれ。」と命じ、天児屋命(あめのこやねのみこと)、太玉命(ふとたまのみこと)、天鈿女命(あめのうずめのみこと)、石凝姥命(いしこりどめのみこと)、玉屋命(たまのやのみこと)の五柱の神たちに、瓊瓊杵尊について行き助力するよう命じた。
さらに高皇産霊尊は瓊瓊杵尊に八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)を授けて「この三つの神器(じんぎ)が、お前の家系を守ってくれるだろう。帝位の証として子々孫々まで受け継ぐように。」と言った。 そこへ先払いに送った神が戻ってきて「一人の神が行く手におります。鼻が七握程もあり、目は八咫鏡のように輝いて赤ほおづきのようで、背の丈は七尺あまりもある大男です。」と報告した。
高皇産霊尊は「天鈿女命よ、先に行ってその者に会って来てはくれぬか?」と命じ、天鈿女命は自分の胸を露わにし、腰ひもを臍の下まで下げて、笑いながらその者の元へ出向いた。
大男が天鈿女命に、「何故そのような格好をしているのか?」とたずねると、天鈿女命は、「あなたは、誰です。皇孫が降臨なさろうとしている通り道に、何故あなたは立っているのです?」と尋ねると、大男は「私の名は、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)。皇孫が降臨されると聞いてお待ちしているのです。」と答え、「私が先に行って道を切り開きましょう。」というと、天鈿女命は「何処に行こうというのです?皇孫は何処へおいでになるのです?」と尋ねると猿田彦大神は「皇孫は筑紫の日向の高千穂(たかちほ)の峰においでになるでしょう。私は伊勢の狭長田の五十鈴(さなだのいすず)の川上に参ります。」
天鈿女命は帰って報告し、皇孫は高天原から日向の高千穂の峰へ降り立った。猿田彦大神は約束通り皇孫を案内すると伊勢の狭長田の五十鈴の川上に向かい、天鈿女命は猿田彦大神に従って送って行った。

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